おしゃべりな家庭科室で。

 文化祭当日。
 結局、朝早く起きてしまった。

 やっぱり休みたいなあと思ったけれど、麗が楽しみにしてるから行く。

 昨夜もスマホに、『明日は午後からいっしょに回ろうね』というメッセージと、ダンスするうさぎのスタンプが送られてきた。

 それに栗谷くんとは最後のイベントの可能性さえあるのだから。
 ふとまたスーパーでの栗谷くんと女性の光景が浮かぶ。
 なんかもう栗谷くんのことは、考えたくない。

 あーあ、なんで同じ呼び込み係なんだろう……。
 どういう顔して会えばいいのかわからないよ。
 でも、栗谷くんと接点のない文化祭はもっと寂しい。
 うう、精神が安定しないな、わたし……。

 わたしは誰もいないキッチンで冷蔵庫を開ける。
 昨晩は、何も食べずに寝てしまった。
 だけど、昨日の出来事がショックで全然お腹が空かない。
 わたしは牛乳パックを手に取り、グラスに注ぐ。

 牛乳を一気に飲み干してから思う。
 現在時刻は午前五時ちょうど。
 キッチンはおどろくほど静か。
 いつもなら、食材が騒がしいのに。

「寝てるのかな」

 そう首を傾げ、グラスを洗って部屋に戻った。
 食材って寝てるイメージないけど。
 まあ、どっちにしてもうるさいよりはいいや。