おしゃべりな家庭科室で。

 休みたい。
 でも、行かなきゃ。

 そんなことをあれこれ考えつつ家に帰ると、「買い物手伝って」といわれて、母といっしょにスーパーへ買い物へ行った。

 この辺で一番大きなスーパーだ。
 クラスメイトにばったり遭遇することも、一度や二度じゃない。
 栗谷くんとバッタリ遭遇したりして……。

 そんなふうに考えている自分が、なんだか空しい気もした。
 母が野菜コーナーを見ている間、わたしもぼんやりと野菜を眺める。

【ねぇ。買って! 新鮮だよ】
【そこのトマトは傷ついてるぜ! だまされんな】
【傷なんかついてないわよ、うるさいわね、バナナ!】
【あー、中に虫いる……。もぞもぞして気持ち悪い】

 野菜コーナーはうるさい。
 しかも、虫がいるって……。
 キャベツのほうから聞こえたな。
 「お母さん、あのキャベツは買わないほうがいいよ」っていおうかな。
 そう思って顔をあげた瞬間。

 キャベツの棚のところに、栗谷くん。

 えっ、うそ偶然。
 私服の栗谷くん、めっちゃかっこいい。
 Tシャツにジーンズだけど、すごくオシャレに見える。
 そんなふうに舞い上がったのは一瞬だけ。

 だって、栗谷くんはひとりじゃなかった。
 隣には、きれいな女性がいた。