「じゃあ、なるべきなんだよ」
「でもおれ、作った料理の味、バラバラなんだよな」
栗谷くんがため息をつく。
わたしは、明るい声でいう。
「この間のクッキー、すっごく美味しかったよ」
「そっか。よかった。クッキー、けっこう作ってるから」
「へぇ。そうなんだ」
「ホワイトデーにチョコくれた女子に、お返しで手作りクッキー渡してたからな」
「それこそ料理上手ってバレるじゃん」
「手作りっていわなきゃバレないだろ。それに、おれがつくったなんてわからないし」
「それもそうだけど……」
「作ったほうが安い上に大量にできていいんだよ」
「えっ?! 大量につくるの?」
わたしが驚いていると、栗谷くんは、うなずく。
「くれた女子、全員にお返しはあげてたから。まあひとりにつき二、三枚だけど」
「バレンタインってチョコどのくらいもらうの?」
「そんなに多くない少ない。多い時で五十個くらい」
「ぜんぜん多いでしょ」
「まあ、それで鍛えられたからクッキー作りは自信ある」
「へー。今年もやるんだね」
「……もうやらない」
「なんで?!」
わたしもチョコ渡す予定なのに!
また栗谷くんのクッキー食べたかったのに!
そんなこといえるわけがないんだけど……。
「もう好きな女子のお返しにしか、クッキーは作らない」
「えっ? 好きな女子……」
栗谷くんの意外な言葉に、わたしはなにもいえなくなった。
好きな人いるの?
それはだれ?
でも、それを聞いたら即失恋をしてしまう可能性が高い。
だから聞きたいけど聞けない。
ちらりと栗谷くんを見る。
まっすぐ前を向いたまま、わたしの視線に気づく様子はない。
胸がずきりと痛む。
イチゴミルクの味がわからなくなった。
視界に入ったのは、ひまわり。
すっかり枯れてしまって、くたびれたように花が地面を向いていた。
「でもおれ、作った料理の味、バラバラなんだよな」
栗谷くんがため息をつく。
わたしは、明るい声でいう。
「この間のクッキー、すっごく美味しかったよ」
「そっか。よかった。クッキー、けっこう作ってるから」
「へぇ。そうなんだ」
「ホワイトデーにチョコくれた女子に、お返しで手作りクッキー渡してたからな」
「それこそ料理上手ってバレるじゃん」
「手作りっていわなきゃバレないだろ。それに、おれがつくったなんてわからないし」
「それもそうだけど……」
「作ったほうが安い上に大量にできていいんだよ」
「えっ?! 大量につくるの?」
わたしが驚いていると、栗谷くんは、うなずく。
「くれた女子、全員にお返しはあげてたから。まあひとりにつき二、三枚だけど」
「バレンタインってチョコどのくらいもらうの?」
「そんなに多くない少ない。多い時で五十個くらい」
「ぜんぜん多いでしょ」
「まあ、それで鍛えられたからクッキー作りは自信ある」
「へー。今年もやるんだね」
「……もうやらない」
「なんで?!」
わたしもチョコ渡す予定なのに!
また栗谷くんのクッキー食べたかったのに!
そんなこといえるわけがないんだけど……。
「もう好きな女子のお返しにしか、クッキーは作らない」
「えっ? 好きな女子……」
栗谷くんの意外な言葉に、わたしはなにもいえなくなった。
好きな人いるの?
それはだれ?
でも、それを聞いたら即失恋をしてしまう可能性が高い。
だから聞きたいけど聞けない。
ちらりと栗谷くんを見る。
まっすぐ前を向いたまま、わたしの視線に気づく様子はない。
胸がずきりと痛む。
イチゴミルクの味がわからなくなった。
視界に入ったのは、ひまわり。
すっかり枯れてしまって、くたびれたように花が地面を向いていた。


