おしゃべりな家庭科室で。

「わたしと楓はね、ユニット組んで動画で活動する予定なんだ」

 麗がふたりにそういった。

「あ、麗、それは秘密なんじゃ……」
「秘密ではないよー。だって、動画見てくれる人が多ければ多いほどいいし」
「それはそうだけど」

 わたしはそういってチラッと栗谷くんを見る。
 戸成くんは、ぱあっと顔を明るくさせていう。

「すごっ! 動画はじめたら教えて! おれ絶対に視聴者になる!」
「いや、ひとつ問題がある」

 栗谷くんは、腕組みをしてから続ける。

「その動画、まさかふたりそろって顔出しか?」
「まさか。わたしも楓も、お面かぶるの」
「うん。そうだよ」
「じゃあ、いいか」

 栗谷くんはそういうと、オレンジジュースを飲みながらつぶやく。

「早乙女も紗藤も、お前ら顔出ししたら危険だ」

 栗谷くんはさらにぼそりと続ける。

「ふたりともかわいいんだから」

 うん? ふたりとも?
 麗は、の間違いだよね。
 最近なんだか聞き間違いが多いな……。

 その日、カラオケはとても盛り上がった。
 わたしが歌った曲を、栗谷くんが気に入って、「ダウンロードしよ」といってくれたのがうれしかった。
 栗谷くんにリクエストしたわたしのお気に入りの曲は、大好きな曲になった。

 カラオケが終わって、栗谷くんと別れる時。
 栗谷くんがキラキラと輝いて見えた。
 きっと夕焼けのせいだ。