消えそうな君に夜を捧ぐ

混乱させると分かっていても、打たずにはいられなかった。

言い残したことがたくさんあって、知って欲しいこともいっぱいあった。

前もって考えておいた文を打っていく。

俺には時間がないから、本当は溢れる気持ちをなんとかとどめた。

俺のスマホを開いた人が見つけられるように、メモを開く指示をロック画面に出して、スマホを開くパスワードを切って。

ようやく全ての作業を終えた時、もうタイムリミットまであと数分のところまで来ていた。

俺はスマホを元に戻し、寝心地の悪いベッドに横たわる。

置かれた時計が59分を回っていることを確認して俺は目を閉じた。

『ばいばい』

目尻に涙が一筋伝ったとき、秒針が12を指した。

その瞬間、俺は消えた。

停止を伝える機械音は俺にはもう聞こえない。