消えそうな君に夜を捧ぐ

「うーん、なんかよくわかんないけど、実際起きてるわけだし」

「そもそもこのメッセージがあるのもそれだったら多分説明つくから、私は信じるよ」

「うん、ありがとう」

初めに頼んだドリンクはもうとっくに氷が溶けて薄くなっていた。

「でも、佐那の好きな人がお兄ちゃんだったなんて普通に驚きなんだけど」

「ねえ恥ずかしい」

「ねえ、写真ないの」

「ちょ待って探すわ」

いつの間にかいい意味でいつもの雰囲気に戻っている。

まだショックは消えなさそうだけど、今を楽しもうと、そう思えた。