消えそうな君に夜を捧ぐ

今日も塾の帰り、いつもの歩道橋へ向かう。

唯織からあのフィクションのような話を聞いてから私の頭はそのことに埋め尽くされている。

今思っても不思議な話だし、唯織が事故に遭って入院しているなんてこと、信じたくもない。

けどきっと唯織はそんな酷い嘘をついたりしない。

それに私に笑って、と言った唯織の笑顔は笑っているのに悲しそうであった。

それを見たら、私は笑ってなくちゃいけない、楽しく学校生活を送らなきゃいけないと思った。

だから、不安も心配も全部押し込めて、いつもと同じように学校に行き、塾に行った。

「唯織」

「やっほ、今日は、どうだった?」

あれから、あの話はしていない。