消えそうな君に夜を捧ぐ

「でもなぜか夜の11時から12時の間だけ外に出られるようになったんだ。体は病院にあるんだけど、なんていうか精神だけって言ったらいいのかな、けど物には触れるし…まあちょっとそこらへんはよくわかんないんだけど。…ごめんね、こんな話、信じられないよね」

自分でも誰かに同じ話をされても信じられないと思うから。

「信じる」

「え」

「確かに嘘みたいな話だけど、私は唯織がそんな嘘つくわけないって思うから。だから、信じる」

いつのまにか佐那は真っ直ぐにこっちを見ていた。

けれどもその瞳は今にも泣きそうな不安を堪えているようにも見えた。

本当は佐那に言ってない部分がある。

それはあまりに残酷できっと佐那を苦しませるようなこと。

言うつもりは毛頭なかったけど言わなくてよかったと改めて思った。