消えそうな君に夜を捧ぐ

唯織の後ろに見えるどこかの家の明かりをぼんやり眺める。

「ねえ、佐那」

呼ばれた方に顔を向ける。

「俺、佐那に話さなきゃいけないことがある」

心を決めたような唯織はさっきと違って、まっすぐ私を見ていた。


「実はさ、俺、意識不明の重体で、入院してるんだ」

佐那が少し目を見開いて固まっている。

できるだけ軽く、笑って、深刻な感じにならないように言ったつもりだったんだけど。

「3週間くらい前かな、事故に遭って。なんとか一命は取り留めたんだけど意識が戻らないみたいでさ」

自分で話してて、まるで他人事のようだなと思う。

実際、反応できないだけで、俺の意識はあるし。