消えそうな君に夜を捧ぐ

「好きです」

下を向いているせいで目にかかっている唯織の前髪を見ながら私は小さく、でも聞こえるように呟いた。

唯織にも私の言葉は届いたようで、その瞬間、顔を上げた唯織と目線が交わる。

「あ、やっと目合った」

私は微笑む。

唯織はまだ目を見開いて固まっている。

「あ、えっと、俺、」

「答えなくて、いいよ」

「は…?」

本当だった。

私はただ、伝えたかった。

唯織も私のこと好きだったら嬉しいとは思うけど、別に付き合いたいとかそういうふうには思っていない。

だから。

「私伝えたかっただけだから、返事はしなくていいよ」

我ながら困らせてるかもしれないけど、伝えられただけで十分だった。