消えそうな君に夜を捧ぐ


唯織の手を顔から外そうと背伸びして手を伸ばしていたら、バランスを崩した。

唯織に受け止められて、伸ばしていた腕は唯織の手に収まっている。

「ちょっと、お前危ない…」

顔を上げると思った何倍も近いところにある唯織の顔。

自分の姿が写った瞳と目が合う。

「あ、ごめ」

私はとっさに離れようとした

だけどできなかった。

ほのかなぬくもりが唇に触れる。

でも、それはすぐに離れて、私の体も解放された。

「悪い、勝手に」

正直私は状況が呑み込めていなくて、ただ茫然と、立っているだけしかできない。

でも、やってしまった、という唯織の顔が切ない。