恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで

リビングの奥から壁沿いに続く真っ白な階段を登れば、長い廊下に面した扉が二つ、そして突き当たりに扉が一つ
あった。



『ここが立花さんの部屋。』

「えっ?…‥…私の‥部屋‥?」


家政婦用の休憩室とか?
ただのバイトだからそんなの必要
ないのに‥‥。
 

不思議に思いながらもドアを開けてくれた部屋にゆっくり入ったら、その光景に目を疑った



「ツッッ……えっ……!?
 ちょっと‥待ってください!
 これってどういうことですか!?」


『この部屋は自由に使っていい。
 隣はトイレで、突き当たりは
 俺の寝室。』


「いや…‥あ、あの!そうではなくて、
 何故ここに私の部屋の荷物が
 あるんですか!?」


デジャブ?とも思える使い慣れた様々な
アイテムに段々顔が青ざめていく


今朝大学の講義に行く前まで
アパートにあった私の家の家具が並べられ、ダンボールも何箱も置かれている。


『‥‥櫂さんから住み込みで働く
 契約って聞いてない?』


住み込み!!!?


彼には悪いけど、状況が把握できないし、全く訳がわからない‥‥‥。



その時ちょうどバイブ音が響き、ポケットから取り出したスマホを見れば、
兄からメールが一件届いた。



件名 連絡事項
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日和の荷物運んどいた。
一生懸命頑張れよ。
そして今後俺の授業は寝るな。
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「‥‥‥‥う、嘘でしょ!?」


な‥‥なにそれ!?冗談じゃない!!


今すぐ電話をかけて文句のひとつでも言わないと気がすまない



『あのさ‥‥‥‥
 櫂さんからまさかこのこと
 聞いてなかった?』


 えっ?