恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで


「映画を見てたのに邪魔をして
 ごめんなさい。私は部屋に…あっ!」


立ち上がろうとすれば阻止され、
あろうことか瀬木さんの足の上に
跨がるように座らされてしまう


「は、隼人君…近いよ‥ッ」

『聞いて?』

「やだ………降ろして‥」

『日和……』


ドクン


瀬木さんはズルい‥。名前を呼べば私が恥ずかしくて動けなくなることを多分知ってる


『日和は自分のことを分かってないから
 心配してるの。それは分かる?』

「分かんない……。」


至近距離で私を見つめる視線に耐えられず、真っ赤な顔を見られたくなくて、
慌てて両手で顔を隠す。


『はぁ‥‥。そういう仕草が可愛いし、
 余計に離したくなくなるんだけど?
 多分……無意識なんだよな。』


「‥ッ‥‥隼人君だけ‥」

『俺だけ?‥何が?』

「……こんなにドキドキして緊張する
 のは昔から尾田先輩しかいない……
 だからッ‥離して?」


瀬木 遥 、尾田 隼人……そして先輩に
昔も今もずっと変わらず恋してる‥。



『日和‥‥…顔見せて?』


恥ずかしくて両手で顔を覆ったままの私は首を左右に何度も振る。


ビクッ!!


腰を抱く瀬木さんの片手が首に移動し、
ホルタータイプのリボンを解くのが分かり慌てて顔から両手を離した


「隼人く!……んっ」


それを待っていたかのように
唇に噛みつかれ、瀬木さんの腕が私の首元を引き寄せ深いキスが落とされる。


「…………はぁ……んっ‥ッ」

『日和‥‥口‥開けて?』


ドクン


隼人くんの舌が私の唇に触れると、
恥ずかしさが増して体が熱くなる


「そんな…こと…出来な……ん」

『フッ‥‥なんで?』

「無理………恥ずかし……」


本とか漫画とかでは見たことがある
大人なキス。今は普通のキスで既に
いっぱいいっぱいなのに心臓が壊れ
ちゃうよ‥‥


『……クスクス‥ごめん。日和が嬉しいこと言うから。』


私がもっと経験があれば、好きな人に
素直に身を任せて出来ると思う‥‥。

私はまだ隼人君のそばにいるだけで
いつも緊張してしまうのだ。


ごめんねの意味を込めて首に手を回して抱きつくと首元に唇が触れた


『‥こういう服は着たら駄目だよ?』

「うん‥‥分かってる。」


暫くしてからようやく解放され、
部屋で彩と友達にメールをしたら、
OKを貰えたので、安藤くんにも4人で
課題をやることをメールした。


夏休み前半にレポートを終わらせれば
あとは凄くラクだから頑張らないとね。