『5、6年くらい前、営業に成り立ての頃かな‥‥。自費出版でいいから本を出したいと掛け合ってきたのが高校三年生のアイツだった。勿論名前も知らない一般人だし応募しろって最初は断ったんだけど、かなりしつこくてさ。』
和木さんは、愉しそうに笑いながら目を細めてゆっくりと空を見上げた
『断っても断ってもしつこく来たから、
どうしてそんなにその本が出したい
のかって訪ねたら、大切な人と本
でしか繋がってないから、何処かで
その人が読んで繋がりがなくならなけ
ればいいなんて生意気なことを
言ったんだよ。』
えっ?
本でしか繋がってない………?
それって‥もしかして‥‥‥。
『それでどんなものか試しに読んだら
終わり。必ずこれは売れるって
思ったから俺が負けたんだ。』
「………そうだったんですね。」
6年前は先輩のことを思い出したくなくて本を読まない日々がかなり続いた
進路を決める時にお兄ちゃんと話して
それからまた少しずつ図書館で本を読み始めたからあの時本屋に行ってたら瀬木さんの本が読めていたかもしれない。
そんな瀬木さんの素敵な作品に私が挑戦していいのか、評価が下がらないか怖くなる。
瀬木さんは私でいいって言ってくれたけど、多くの人が楽しみにしてるからこそ
たまらなく不安なのだ。
『アイツは今までで一番の作品を
書くと思う。何故だか分かる?』
瀬木さんを信頼する和木さんにしか
分からない何かがあるんだと思う。
そうじゃないと、こんな穏やかな顔は
出来ないと思うから。
『‥‥君が隼人の側にいるからだよ。』
えっ?
「わ‥私は何にもしてないし、寧ろ
邪魔をしてるだけなんです。
瀬木さんはとても優しいからいつも
甘えてしまってますし。」
『そこだよ。』
和木さんは立ち上がるとまた大きく伸びをして、私にニコリと微笑んだ。
『隼人は側に甘えてくれる人も
甘えられる人も居なかったから
日和ちゃんがそうすることで
バランスがとれたんだよ。
前は暴言しか吐かなかったから、
柔らかい表情を見て驚いた。
それってすごいことじゃない?
だからそのままでいいんだよ。』
あっ………
瀬木さんにも言われた。
そのままでいいって………。
「和木さん‥‥ありがとうございます」
和木さんと話せた事で
不安で迷ってた気持ちが吹き飛んだ
また知らない先輩を知る事が出来た。
それだけでも数分前まで悩んでいた
自分とは何処か違う気がする
和木さんは、愉しそうに笑いながら目を細めてゆっくりと空を見上げた
『断っても断ってもしつこく来たから、
どうしてそんなにその本が出したい
のかって訪ねたら、大切な人と本
でしか繋がってないから、何処かで
その人が読んで繋がりがなくならなけ
ればいいなんて生意気なことを
言ったんだよ。』
えっ?
本でしか繋がってない………?
それって‥もしかして‥‥‥。
『それでどんなものか試しに読んだら
終わり。必ずこれは売れるって
思ったから俺が負けたんだ。』
「………そうだったんですね。」
6年前は先輩のことを思い出したくなくて本を読まない日々がかなり続いた
進路を決める時にお兄ちゃんと話して
それからまた少しずつ図書館で本を読み始めたからあの時本屋に行ってたら瀬木さんの本が読めていたかもしれない。
そんな瀬木さんの素敵な作品に私が挑戦していいのか、評価が下がらないか怖くなる。
瀬木さんは私でいいって言ってくれたけど、多くの人が楽しみにしてるからこそ
たまらなく不安なのだ。
『アイツは今までで一番の作品を
書くと思う。何故だか分かる?』
瀬木さんを信頼する和木さんにしか
分からない何かがあるんだと思う。
そうじゃないと、こんな穏やかな顔は
出来ないと思うから。
『‥‥君が隼人の側にいるからだよ。』
えっ?
「わ‥私は何にもしてないし、寧ろ
邪魔をしてるだけなんです。
瀬木さんはとても優しいからいつも
甘えてしまってますし。」
『そこだよ。』
和木さんは立ち上がるとまた大きく伸びをして、私にニコリと微笑んだ。
『隼人は側に甘えてくれる人も
甘えられる人も居なかったから
日和ちゃんがそうすることで
バランスがとれたんだよ。
前は暴言しか吐かなかったから、
柔らかい表情を見て驚いた。
それってすごいことじゃない?
だからそのままでいいんだよ。』
あっ………
瀬木さんにも言われた。
そのままでいいって………。
「和木さん‥‥ありがとうございます」
和木さんと話せた事で
不安で迷ってた気持ちが吹き飛んだ
また知らない先輩を知る事が出来た。
それだけでも数分前まで悩んでいた
自分とは何処か違う気がする



