恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで


『それで?バイト辞めたって何だよ?』


日替わりのランチを二人で頼むと、
窓際の日当たりのいい場所に
安藤君と向かい合わせで座った。


このボリュームでこの値段は金欠生に
とってはありがたい学食だ。


「…んんっ…えっとね‥‥
 新しいバイトはやってるけど、
 それが案外大変で他は辞めたんだ。」


やりがいもあって楽しいんだけど、
単に私の気持ちだけが大変なだけ。


ずっと一人暮らしで家事はしてたし
嫌いじゃないから嫌とは思わない。
ただ、あの部屋が広すぎて、慣れるまでは大変だったのは事実だ


『クス‥立花ってさ、常に
 働いてるイメージあるからな。』

「どんなイメージよ、それ。」


『なあ、あのさ‥‥その‥今度休みが
 取れたら、一緒に出掛けないか?』


えっ?安藤君と?


『時間に余裕が出来たなら誘っても
 いいだろ?立花はいつも講義が
 終わると逃げ足早くてなかなか
 チャンスがなかったしな‥。』


「逃げ足って‥‥うん…いいよ。」


たまには何処かに出掛けるのもいい気分転換になるかも。本当に今までは
ずっとバイトばっかりだったから。


『ほんと?』

「うん、ほんと。出掛けようよ。」


嬉しそうに笑う安藤くんに、私も自然と楽しみになり、ランチを済ませてから
手を振って別れた。


今日の夕飯はどうしようかな……
昨日のこともあって少しだけ気まずいけどメールだけしてみようかな‥。



「あれ……」


スマホを取り出して開けば
一件の着信とメールが届いていたので、
暑い日差しの中を歩きながらスマホを
操作した。


「(…ッ…なにこれ)」


そこに届いていたのはいつも通り瀬木さんからのメールだったけど、仕事のメールじゃなかったのだ。


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帰ってきて。

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たった一言の読み取りにくい内容に、
どうして帰って来て欲しいかとか
書かれてないから戸惑ってしまう