恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで

瀬木さんの視線に恥ずかしくなりつつも
ベッドの上で小さく頷く


『それでだ!この病室はちょっと
 狭いから大きな部屋に移れば
 ソファやデスクにテーブルもある。
 日和が本気で頑張るなら
 そこでやってみないか?』


「えっ!?で‥でも病院代が‥‥‥」


『大丈夫。日和は何にも考えずに
 早く退院する事だけ考えろ。
 友達と大学に来たいんだろ?』


彩と目が合うと笑顔で頷いてくれたので
私も頷いてお兄ちゃんを見上げた


立ち止まりたくないと言ったこんな私に、手を差し伸べてくれる人が
思ってるより沢山いたことに嬉しくなり
思わず泣きそうになった。



「ここ?」


1つ上の階に移動して病室の扉は今いたところと同じような感じだったけど、
入ってからびっくりした


「(大きい部屋って言ってたけど
 ホテルみたいじゃない!?)」


大きなベッドの横に3人は座れるだろう
ソファと広めのテーブルがあり、反対側にはデスクと椅子、そして応接室のような部屋にはバストイレも完備されている


お兄ちゃんはああ言ってたけど
本当に大丈夫なのかな‥‥‥


みんなの為にも自分の為にも頑張ろうって思った。でも………私はまだ自分が誰なのかがわかってない。


私はどんな高校生だった?
大学はどんな大学に通ってる?
全て思い出せなくてもいつかちゃんとわかる日が来るのかな‥‥。


彩はバイトがあるため帰ってしまい
お兄ちゃんは手続きに行ってしまった。


『疲れさせたね、ごめん。
 今日はゆっくりするといい。
 また明日来るから。』


車椅子に座ったままの私に優しい手が触れると思わずその手を掴んでしまった


『どうした?』


この手………初めて見たときも細くて綺麗な手だと思ったけど、それだけじゃなくて安心させてくれる手だ。


「私のこと知ってたんですよね?
 それなら、あなたにとって私は
 どんな子でした?」