恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで

そう言ってその人が見せてくれた笑顔に
何故か安心して、久しぶりに笑顔になれた気がする

お互い静かに本を読んでいるだけだけど、とても居心地が良くて温かい。


『立花さん!夕食だから戻りますよ。』

「あ!はい……分かりました。」


しおりをそこに挟んで本を閉じると、
隣で一緒に読んで下さった方の方を
向いたら、彼もまた私を見つめていた。


「あ‥本当にありがとうございました。
 今日初めて外に出れた日に、誰かと
 一緒に読めて嬉しかったです。」


『こちらこそ。ありがとう立花さん。』


えっ?


彼が立ち上がる際に私の頭にそっと触れた手に心臓が少しだけトクンと動いた


『カッコイイ人ね?モデルさんみたい。
 立花さんの知り合い?』

「い、いいえ…………違います。」


知り合いじゃないのに知ってる人にも思えてしまう懐かしい感覚に、彼の姿が
見えなくなるまで見送った。



『ご飯はいっぱい食えよ?』


毎日来なくてもいいのに必ず来てくれるお兄ちゃんが今日は一層大きな紙袋を抱えていた。


「何を持ってきたの?」


重そうなそれをサイドテーブルに置くと
、中身が気になった私は左手をついて
上から覗いてみた


「やった!!本だ!!!」

『おう、足りないと思ってさ。』

「ありがとう!お兄ちゃんのお陰で
 毎日退屈せずに過ごせてるよ。」


私が片手でも取りやすいようにそれらを
綺麗にそこに並べてくれるとまるでそこは小さな図書館のようだった


「これ全部お兄ちゃんの本なの?」


20冊はあるだろうか?リハビリ込みで3ヶ月近くの入院を与えられてしまった私にはじゅうぶんすぎる量だ。


腕はまだ軽い骨折だけど、大腿骨骨折は大掛かりな手術だったらしく、リハビリがかなり必要になる。


『実は、知り合いに本が
 好きなやつがいて借りたんだ。』


本が‥好きな人………?


一瞬頭の中にさっきの素敵な人が思い浮かび、少し顔が熱くなる。