一夜限りの結婚式~君と愛し合えた日々は、本当に幸せでした。

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 付き合い始めたのは高校三年生の時、雪が降り積もり始めた季節だった。放課後、学校の前で何気ない会話をしていた時に、突然告白された。

「白石さんに言いたいことがあって……」
「何?」
「好きだから、付き合ってほしくて――」
「……うん、いいよ」
「あぁ、すごく緊張した。どうやって告白しようか、100パターンぐらい考えた」
「そんなに? 嘘でしょ」
「うん、嘘。10ぐらいかな? でも頭が真っ白になって全部忘れた」
「ふふ、相田くんっぽい」
「何それ?」

 もう、友達以上の心の繋がりを感じていたし、私も好きかもって気持ちがあったから、迷いなく返事をした。

 あの日の事は鮮明に覚えている。
 言葉も風景も、そして柊くんの表情も――。

 告白された時は寒い日だったけれど、ふんわりと降る雪に包まれながらふたりで笑って、すごく心が温かかった。