( まだ帰ってきてませんように )
いつものように祈りながら、 鍵穴に鍵を差し込む。
上の鍵、 続けて下の鍵を回そうとした──
……のだけど。
下の鍵が閉まってない。
朝 確実に上下どっちも閉めたはずだから……
つまり、 そういうことである。
はあ、 と大きく息を吐いて、 ドアノブを引き、 重い足取りで玄関をくぐる。
なるべく音を立てないようにそろ〜っと鍵をかけ、 ふと視線を落とすと、
見覚えのない黒いパンプスが丁寧に端に寄せられてて、ぎょっとする。
……ん? んんん??
しばらくその場で記憶をたどってみるけど、
ぜったい朝にはなかった。 し、 そもそもこんなパンプス心当たりない。



