凜が深い眠りに落ちた頃、美玖はこっそりと凜の家を出た。
『本家』の掟、祖母との約束は絶対的なもの。
凜に断わる事が出来なかった美玖は、仕方なく泊まる“フリ”をしたのだ。
凜が寝静まった後に手紙を残して急いで家へと帰る。
(早く…早く、帰らなきゃ…)
いつ“アイツ”が出てくるか分からない。
けれど心臓の鼓動の速さは速まっていた。
当たり前だ。時刻は既に11時を過ぎているのだ。
もう直ぐ“アイツ”が出てくる。
もう待ちきれないとでも言うかのように鼓動の速さは更に速まっていくばかり。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、…
冷や汗を掻きながらやっとのことでマンションに到着し、直ぐに部屋へと滑り込む。
(間に合った…)
ホッと息をつき、美玖は安堵でその場にペタリと座り込んだ。
が、安堵感も長くは続かずバタンッと冷たい床に倒れる。
来た
“アイツ”が
心臓の鼓動は限界までに速まり、冷えていく身体とは裏腹に熱くなる心臓。
苦しいよ…
誰か…誰か、助けて…
そこで美玖の意識は途切れる。
気付くと既に日は昇り、辺りは明るくなっていた。
『本家』の掟、祖母との約束は絶対的なもの。
凜に断わる事が出来なかった美玖は、仕方なく泊まる“フリ”をしたのだ。
凜が寝静まった後に手紙を残して急いで家へと帰る。
(早く…早く、帰らなきゃ…)
いつ“アイツ”が出てくるか分からない。
けれど心臓の鼓動の速さは速まっていた。
当たり前だ。時刻は既に11時を過ぎているのだ。
もう直ぐ“アイツ”が出てくる。
もう待ちきれないとでも言うかのように鼓動の速さは更に速まっていくばかり。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、…
冷や汗を掻きながらやっとのことでマンションに到着し、直ぐに部屋へと滑り込む。
(間に合った…)
ホッと息をつき、美玖は安堵でその場にペタリと座り込んだ。
が、安堵感も長くは続かずバタンッと冷たい床に倒れる。
来た
“アイツ”が
心臓の鼓動は限界までに速まり、冷えていく身体とは裏腹に熱くなる心臓。
苦しいよ…
誰か…誰か、助けて…
そこで美玖の意識は途切れる。
気付くと既に日は昇り、辺りは明るくなっていた。


