おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

「――シラユキ……、なんか言ってたか」

 その時、シェルディさんがこちらを向いて言いました。
 持っていたナイフとフォークを置いて、聞く姿勢に入ります。

「……えぇと」

 お話したいけれど、難しくて……なんて言うのが正解なのでしょうか。

「いいよ、ゆっくりでいいから」
「喉詰まらせてもいけませんしね」

 イバラさんも、ティアさんも優しく促してくださいました。ティアさんはちょっぴり違う気もしますが。
 私も手にしていた物を置いて、

「……えっと、難しい……んですけど」

 と紡ぎ始めました。

「単刀直入に言いますと……、シラユキさんは、『シェルディを苦しめてる』とおっしゃいました」
「………」
「一瞬で会話が途切れてしまったので、あれ、なんですけど……、自身に対して怒っているような、苦しんでいるような感じでした」

 シラユキさんの反応はまさにそんな感じです。

「私には……彼自身、どうしたらいいのかわからないといった感じに見えて……、何が正しいのか、不安定な状態でした」

 しんと食堂が静まり返り、シェルディさんを始め、イバラさん、ティアさんも考え込むように腕を組んだり、顎に手を置いたりしています。
 私は誰かが話始めるのを待つ間、やはり、シラユキさんを一人にするのもよくないのでは? と改めて感じました。

「――“仲直り”、できるかなぁ」

 少しの沈黙の後、シェルディさんは言いました。

「仲直り、ですか……?」
「うん、仲直り。……だって言ってたんだろ? オレを苦しめてるって。ははっ……なぁんだ、大した事じゃなかったな」

 シェルディさんは震えながらも、どこか安心した様子も見せて笑います。
 仲直りなのかはわかりませんが、私は彼らが上手くいく方法があるのなら、お手伝いしたいと思いました。
 ……ですが、彼らが今会ったとしてどうなるでしょうか。
 話し合い、できるのでしょうか――。