おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

「……シラユキさんを、苦しめてる……?」

 私はシェルディさんの言葉を復唱します。

「どうして……?」

 苦しんでいるのは、今目の前にいる貴方だというのに。
 そういえば、あのままシラユキさんは本当に帰ってしまったのでしょうか。
 それとも、どこかへ行ってしまったのでしょうか。
 こちらが一段落したらまず確認したいことでした。

 とりあえず、私とシェルディさんは階段に座り直し、話の続きをします。

「オレがオオカミと人間のハーフだから、あいつはそれが嫌なんだよ」

 シェルディさんは耳を触りながら言いました。

「……バレるのも時間の問題だった。いつかは、こうなることはわかって街に出てた。……きっと、風が吹かなければ“シラユキがやる”ことも」

 ――彼は犯人をわかっていました。

 だから、でしょうか。
 シェルディさんが犯人を咎めることをせず、自身が全て悪いのだと言い続ける理由は、何とも悲しい理由でした。