――しばらく道なりを進んで行きます。
 シェルディさんと私は意気投合して、楽しくお話を続けていました。
 その甲斐あってか、長い道のりも苦ではなく、有意義なものになりました。

「ひっさしぶりに楽しい時間を過ごせてるぜ」

 シェルディさんは嬉しそうに言いました。
 私も、と答えると、シェルディさんはぱぁっと顔を輝かせました。
 表情がころころと変わって、先程のシラユキさんとは正反対な方だなと思いました。

「あれ、そういえば……シェルディさんとシラユキさんって……お友達ですか?」
「あ~、そうだな。腐れ縁みたいなもの……だな」

 なるほど、腐れ縁。

「ふふふ、いいですね。仲良しさんがいるのって、楽しいですから」

 私は微笑みます。
 しかし、シェルディさんは少しだけ困ったような、少しだけ、悲しそうな表情を見せたのです。
 一瞬、でした。
 すぐにパッと明るい表情に戻ると、

「……マリア! もうすぐ着くぞ!」

 と、話を戻すように前に人差し指を伸ばしました。