おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

「それに本気で処刑しようとしているなら、イバラと私だけでは動きません。もっと人を寄越します」

 確かに普通でしたら、騎士やその他いろんな人がいてもおかしくないです。

「……でも、本当に地下牢に行く必要あるんですか?」
「ありますよ」

 ティアさんはちらり、と外に視線を向けます。
 そこには民衆の内、数人がこちらを監視しているのが見えました。

「地下牢の場所を知ってる意味がわからない人もいるんですよ。だからこの道を通らなければ逃がしたと思われてしまう」

 およそ、以前罪人が捕まった際、地下牢がどこにあるか知った人でしょう。
 そうティアさんは説明してくれます。
 だからこの道を通り、ちゃんと捕まりましたよ。と見せつけなくてはならないのです。

 夢は無駄なことを省いてくれるのでは……?

 嘘でもこんなに虚しいことがあっていいものですか。

「――入って」

 イバラさんにそう言われて、地下牢への階段に足を踏み入れます。
 やっぱり、地下牢っていうものは薄暗くて湿っているんですね。