おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

 歓迎パーティーも終わり、また数日が過ぎました。
 この世界へやって来て一週間程度が経ったところです。
 そろそろ、カルアさんの言う“幸せにしたい”という願いを叶えるためにも動き始めなくてはなりません。
 なんたって、私はそのためにいるのですから。

「……やっぱり最初に出会いましたし、シラユキさん、シェルディさんとお話がしたいかもです」

 出会い方は不本意でしたが……。

「さて、今日も楽しく過ごせますようにっ」

 私はえいえいおー! と一人、部屋の中でやる気を出します。
 そんな時、ふらっとモランゴさんが現れます。

「おはよ、マリアちゃん」
「あ、おはようございますモランゴさん」

 最早慣れたものです。私は動じずに挨拶を交わしました。

「カルアで慣れてるでしょ」
「えぇ、かなり慣らされました」

 実は、モランゴさんが現れるのは二度目です。
 一度目はカルアさんじゃない? と驚いてしまったのですが、二度目はもう大丈夫です。

「一人で森に行くんでしょ? だからこれ」

 そう言って差し出してきたのはバタフライナイフでした。

「……何故?」
「何かあった時に使えるでしょ?」
「そんな危険、あの森にあるように思えませんが」

 シラユキさんとシェルディさんも住んでいるくらいです。
 私は半信半疑になりながらも一応受け取ります。

「でも、何も持ってないよりマシだと思うよ。か弱い女の子だもん」
「…………確かに?」

 とはいえ、既にいろんな所へお邪魔している身。
 そして、ほとんど死なないご都合主義な夢の世界。
 何とかなる気がしますが、彼の言うこともあながち間違っていないでしょう。