おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

 べ、ベタ展開……!!

 私は、こうもベタ展開があるなんて思ってもみませんでした。
 思えば赤ワインを飲んだことがないので、葡萄ジュースだと錯覚して全然普通に飲んでいました。

「これ葡萄ジュースだったんだ」

 モランゴさんは「なぁんだ」とつまらなさそうです。

「アッハハ、まぁ気にすることないでしょ。アハハ」
「そうですね、あははっ」

 いやいやいや、ベタに酔っ払ってる人いるんですけど!?

 どうやらティアさんとイバラさんは笑い上戸のようです。

「ねぇ、シェルディのせいでめんどくさいことになってるんだけど……」
「え、面白くない?」
「…………」

 シェルディさんの一言にシラユキさんは頭を抱えます。
 自ら撒いた種を楽しそうに見つめるシェルディさんは、ある意味ドSかもしれません。

「マリアさんほらほら食べてくださいよ~アハハッ」
「せっかく僕達も菓子を持ってきたんだ。美味いぞ~」

 ほれほれと高級そうなスイーツを差し出され、素直に受け取ろうにもなんだか扱いづらい。
 普段落ち着いた二人がこんなにもめんどくさくなるなんて、まだ知りたくなかったです。

「アッハハハ」

 もう、シェルディさん。笑ってる場合ではないですよ!

「カオスだね」
「そうだねカルア」
「ちょっとお二人はこんな時ばっかり何で冷静なんですか!」

 私はイバラさんに捕まれ、ケーキを一切れ食べさせられました。

「おいしいっ! ……けど違くて!」
「頑張れマリアちゃん」
「なんで家の中に入ろうとするんですかっ! そこは助けて下さいよ!」
「疲れたから」
「ちょっとぉ!」

 それから二人に解放されて、全力で謝罪されるまで数時間。
 私はこのめんど――面白い人達と共に時間を過ごしたのでした。