おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

「ここが僕の秘密基地だよ!」

 そう言ってセインさんはにっこり微笑みました。

「わ、色んなものがありますね」
「宝石? とかもあるよ。きらきらしててかわいいから好き。――あ、こんな物とかも」

 そう言って一角に連れて行くと、

「どう? 望遠鏡」
「結構大きいですね。立派です」
「持ってくるの大変だったよ」
「やっぱり」

 そこには大きな望遠鏡が飾ってありました。

「これでね、いつか遠くの景色を見たい」

 セインさんは望遠鏡を撫でながら言いました。

「……とても良い夢ですね。ふふ、なんならお手伝いしますよ?」
「ほんと? 沢山の景色見たいな」

 彼のワクワクした表情に、私も微笑みます。

「連れてきたばっかりだけど、もしかしたら海と陸じゃ時間の流れが違うかも」

 セインさんは考えて、早めに切り上げることにしました。
 私には時間がたっぷりあるので、どうせなら堪能したかったのですが……。

「――ほ、ホントに時の流れが違う……!!」

 陸に上がってきて、第一声がこれになってしまった程には、時間が経っていました。
 太陽の位置が全然違います。

 ついさっき海に入ったばかりですよね!?

 口をぱくぱくさせていると、セインさんは横から覗き込むようにして言いました。

「海はゆったりしてるから、中では一時間くらいのつもりでも、外だと五時間経ってたりするんだよね。時間配分難しいんだよ~」

 セインさんは「はぁ~」と、大きく溜息をつきました。