「俺はここです」
茂みの奥の方に手を挙げる人がいらっしゃいました。
「そちらへ行っても……?」
「いや、俺が行きます」
彼はそう言うなり、腰を上げてこちらへ向かって歩き始めます。
目の前に現れたのは、銀色の髪の毛が跳ねていて、少しばかりぼろぼろの格好を身にまとった青年でした。
「ごきげんよう、改めてマリアと言います」
「セニシエです。街外れの家で使用人をしています」
使用人……? 使用人だと、もう少ししっかりとした服装なイメージがあるような……ないような。
この見た目、もしかして【シンデレラ】……?
セニシエと名乗る彼は、土で汚れた手を軽く払いながら、少し考えるような素振りを見せました。
「海に用があるんですか?」
「あ、はい。行ってみたいなぁ……と。先程も海が綺麗だと教えて下さいましたし」
「……そうでしたか。でしたら行ってみた方がいいですね」
やはり海は皆のオススメなんですね。
「ただ俺は何があっても保証はしません」
「え?」
セニシエさんはにっこり笑うと、とんでもないことを言い出しました。
「な、何が起きるんですか……」
「別に何も? 早く行ったらどうですか。“彼”は待ってると思いますよ」
「今彼って言いましたね! やっぱ誰かいらっしゃるんですね!」
「“やっぱ”……?」
茂みの奥の方に手を挙げる人がいらっしゃいました。
「そちらへ行っても……?」
「いや、俺が行きます」
彼はそう言うなり、腰を上げてこちらへ向かって歩き始めます。
目の前に現れたのは、銀色の髪の毛が跳ねていて、少しばかりぼろぼろの格好を身にまとった青年でした。
「ごきげんよう、改めてマリアと言います」
「セニシエです。街外れの家で使用人をしています」
使用人……? 使用人だと、もう少ししっかりとした服装なイメージがあるような……ないような。
この見た目、もしかして【シンデレラ】……?
セニシエと名乗る彼は、土で汚れた手を軽く払いながら、少し考えるような素振りを見せました。
「海に用があるんですか?」
「あ、はい。行ってみたいなぁ……と。先程も海が綺麗だと教えて下さいましたし」
「……そうでしたか。でしたら行ってみた方がいいですね」
やはり海は皆のオススメなんですね。
「ただ俺は何があっても保証はしません」
「え?」
セニシエさんはにっこり笑うと、とんでもないことを言い出しました。
「な、何が起きるんですか……」
「別に何も? 早く行ったらどうですか。“彼”は待ってると思いますよ」
「今彼って言いましたね! やっぱ誰かいらっしゃるんですね!」
「“やっぱ”……?」

