おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

「わっ、本当ですか?」
「綺麗な海よ~。楽しんできなさいね」
「はい! ありがとうございます! ……あ、それと――」

 私は両手でドレスを摘むと、

「私、昨日からこちらのお屋敷でお世話になっております、マリアと申します。滞在期間中はどうぞよろしくお願いいたしますね」

 と丁寧にご挨拶をしました。
 おば様は「まぁまぁ」と口を押さえながら、ぺこりとお辞儀を返してくれました。
 なんだかかわいらしいおば様だなと、そう思いました。

「マリアってんだねぇ、素敵な名前じゃないの。ご丁寧にありがとねぇ」
「いえ、こちらこそありがとうございました!」

 手を振り一旦解散です。
 私は教えてもらった抜け道へ入ると、海へのワクワクから走り出してしまいました。
 おば様は綺麗だとおっしゃっていましたし、期待値は高いですよね。
 軽く弾みながら私は道を進みます。

 ……結構森が多い街、なんですかね。

 今歩いてる所、結構な木々と茂みです。

「あ、合ってますかここ……!」

 私は心配になって、つい、言葉が出てきてしまいました。
 とはいえ、人気がなさすぎて、声に出したところで意味はないんですけれど……。

「――誰ですか」

 その時、どこからが男性? の声が返ってくるのがわかりました。
 私はきょろきょろ辺りを見回して答えます。

「マリアです……っ! この道は海に繋がる道で合っていますか?」

 お話している相手が見当たりません!

 私は「あなたは、ちなみにどちらに……?」と聞いてみます。