そしてまたしばらくした頃に、大きな扉が現れたのです。
 大きな扉は暗闇に佇んでいるとは思えない程、キラキラと輝いています。

「わぁ、不思議……」

 口から漏れた言葉に、今の状況が既に不思議なのに。と変な気持ちになりました。
 カルアさん、モランゴさんはそんな私を見ながら、大きな扉を開きました。
 こことは対照的に真っ白で、今度は眩しくて何も見えないような、世界。
 そう思った次の瞬間には、トン、と背中を押されて真っ逆さま。

「わっ!」

 床が無いなんて聞いてません!

 そう叫びたくても、もう扉など見えなくて――。

「また後でねー!」

 そう、カルアさんが叫んだのだけは耳に届いた気がします。

「ち、ちょっと……っ! そんな、の……きゃあああっっ!」

 私は為す術ないまま落ち続けます。
 途中いろんな物が横切りましたが、正直、何も考えられませんでした。

「待って……!! これ、落ちた先でどうなってしまうの!?」

 いくら夢でも、落ちてしまうのは怖い。
 どうか、どうか無事に着地できますように。
 私は願いながら、その身を委ねることしかできませんでした。