おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

 私は心配になり下を覗きますが、既にカルアさんの姿はありません。

「もう、神出鬼没のやり方が危なっかしいんですよカルアさんは……!!」

 私は口に出して叫びます。
 ですがもう、カルアくんがバルコニーに現れても飛び降りても気にならないかもしれません。早くも慣れって怖いです。

「――朝っぱらからうるさいですね、貴女は」
「!?!?!?」

 突然、左から声が聞こえたので驚いてしまいました。
 今度はなんですか!? と振り向いたところ、隣のバルコニーからこちらを見つめるティアさんがいらっしゃいました。
 柵に肘を着き、ため息を吐いています。
 また呆れさせてしまった……? 私は身震いしてしまいました。

「ティアさんおはようございます! 今日もいい天気ですね」

 声をかけられ、目も合ってしまったことですし、とりあえず挨拶をしてみます。

「おはようございます。貴女の騒がしさに目が覚めました」
「あ……それは、申し訳ないです……」

 確かに朝っぱらから騒がし過ぎることには違いありません。私はぺこりと謝罪します。

「まぁ、冗談なんですけど」

 と、ティアさんは私の部屋のバルコニーにほど近い、右側の柵へやって来ました。
 私は反対に左側へ寄ると、近過ぎず遠過ぎずな距離感になります。