お二人に向かって一礼します。
とはいえ、雰囲気大人しめの方達のお茶会に私のような騒がしい者が、ましてや見ず知らずの、どこから来たかもわからない人間が一緒にお茶会をしていいものか微妙なところですが。
いえ、でもこれからここに住まわせてもらう身です。少しずつ距離を近づけなくてはいけません。
「気分が乗れば、ですね」
ティアさんは、表情を変えることなく立ち上がると、
「イバラ、おやつも食べ終わったことです。彼女をここに置くなら部屋を用意しなくては。掃除もしなくてはなりませんし、シェルディさん、お二方も来てすぐで申し訳ないのですが……」
三人を交互に見ながら言いました。
三人共素直に応じ、「またね」と私達に手を振りながら部屋を後にしました。
(ここまでが一瞬の出来事だったわ)
――夢だから。
(夢……か)
私は隣にいるティアさんに言いました。
「ここは、夢なんですよね。私が主人公の」
「…………さぁ、僕にはなんとも」
夢の住人に聞いても仕方の無いことを聞いてしまいました。
当たり前ですが、ティアさんは今度はなんだ、と言わんばかりの表情を私に向けてきます。
そして、
「い、いひゃいでふ」
「……痛いんだ」
と、私の頬を軽くつねりながら呟きました。
「当たり前ですよ! ぎゅってされたらお肉が悲鳴上げますから」
「……夢でも?」
「夢、でも……?」
そう言われたら、確かにそうかもしれません。
空から落ちてきた時も痛覚はありました。でも、夢の世界って、痛みを感じないってどこかで聞いたことがあるような。ないような。
「――そんなことより」
「そんなことより!? 大事な事なんですけど!」
「イバラ、泊めるのは良いのですが、マリアさんの部屋は何処にしましょうか」
あからさまに無視されてしまいました。
「……そうだな。部屋は屋敷の広さと住居者の人数が比例してない分、正直ゲストルーム含め沢山余っているけれど」
イバラさんはティアさんを見ながら首を傾げます。
とはいえ、雰囲気大人しめの方達のお茶会に私のような騒がしい者が、ましてや見ず知らずの、どこから来たかもわからない人間が一緒にお茶会をしていいものか微妙なところですが。
いえ、でもこれからここに住まわせてもらう身です。少しずつ距離を近づけなくてはいけません。
「気分が乗れば、ですね」
ティアさんは、表情を変えることなく立ち上がると、
「イバラ、おやつも食べ終わったことです。彼女をここに置くなら部屋を用意しなくては。掃除もしなくてはなりませんし、シェルディさん、お二方も来てすぐで申し訳ないのですが……」
三人を交互に見ながら言いました。
三人共素直に応じ、「またね」と私達に手を振りながら部屋を後にしました。
(ここまでが一瞬の出来事だったわ)
――夢だから。
(夢……か)
私は隣にいるティアさんに言いました。
「ここは、夢なんですよね。私が主人公の」
「…………さぁ、僕にはなんとも」
夢の住人に聞いても仕方の無いことを聞いてしまいました。
当たり前ですが、ティアさんは今度はなんだ、と言わんばかりの表情を私に向けてきます。
そして、
「い、いひゃいでふ」
「……痛いんだ」
と、私の頬を軽くつねりながら呟きました。
「当たり前ですよ! ぎゅってされたらお肉が悲鳴上げますから」
「……夢でも?」
「夢、でも……?」
そう言われたら、確かにそうかもしれません。
空から落ちてきた時も痛覚はありました。でも、夢の世界って、痛みを感じないってどこかで聞いたことがあるような。ないような。
「――そんなことより」
「そんなことより!? 大事な事なんですけど!」
「イバラ、泊めるのは良いのですが、マリアさんの部屋は何処にしましょうか」
あからさまに無視されてしまいました。
「……そうだな。部屋は屋敷の広さと住居者の人数が比例してない分、正直ゲストルーム含め沢山余っているけれど」
イバラさんはティアさんを見ながら首を傾げます。

