触れたい、cross

きちんと、「いだきます」と、両手を合わせる伊織くん。


箸の使い方も、綺麗で。


でも、「…わ…ッ…!ッ…ち!!」


極度の猫舌だから。


いちいち、チキンやチャーハンが乗っているスプーンをくちびるに当てて、温度を確認している。


まるで、オトナとコドモの境目にいるみたい。


するどい目つきや、指摘を私に送ったかと思えば。


がはは、と笑ってみせたり、


ふいに弱いところを見せたり。


どっちの伊織くんがほんとう?


本人に聞きかけて。


どっちの伊織くんも、ほんとう。


胸のうちで、こたえている自分もいる。