傾国の貴妃

「……気分が悪い。お前はもう下がれ」


頭上から聞き慣れた声がした。

その声に涙が出そうになるのを歯を食い縛り耐える。

反対にエリザベート様の口元には、喜びを抑え切れないかのような笑みが浮かんだ。

冷たく威圧感を湛えた声。

怒りを含んだ眼差し。

その矛先は、私……?


「……は、い…。失礼致します……」


私の今の精一杯でそう告げる。

そうよね。

私は邪魔者なのだ。

噂はやはり噂。

私にとっての一番がギルだとしても。

私にはギルしかいなくても。

相手は一国の王なんだ。

私なんかが釣り合うはずなんか……