傾国の貴妃





――墜ちるなら共に。




迫り来る快楽の渦に呑み込まれてしまうその瞬間、ギルはその熱い唇を私の耳元に寄せて囁いた。

私はその言葉に何も言わずただ頷いただけだったけれど。

耳に残る熱い声はきっといつまでもそこにある。


あなたを刻み込んで。

強く、強く。

いつまでも消えないあなたを。




「ローラ、愛してる。…どこにも行くな」


私だって、愛してる。

きっと、いつまでも。




いつまでも……