傾国の貴妃

――ギシッ


そんな音と共に、ギルは私と向き合うようにベッドに腰を下ろす。

喉がカラカラだった。

緊張でどうにかなってしまいそう。

ギルと目が合って、慌ててその目を逸らす。

頭上から、大きな溜め息が漏れるのがわかった。

わかったけれど、顔が上げられない。


「…くだらない」


ギルが放ったのは、そんな一言だった。

乱暴な言葉口調。

何故だか、涙が出てくる。

一筋の涙。

それをギルはその長い指先で優しく拭ってくれた。

口調とは裏腹に、まるで何かを愛でるかのように。

また、今度は違う意味で涙が出そうだった。


「くだらない」


また、呟く。