傾国の貴妃

宣言通り、シンシアはそれはもうこれでもかってくらいにいつもの何倍にも綺麗に髪の毛を仕上げてくれた。

ドレスも最上のものを。

いつもより数センチ高いヒールは気をつけないと転んでしまいそう。

それが私の精一杯の着飾り方だった。






「エリザベート様。本日はお招き頂きまして、ありがとうございます」


招かれた部屋には、既に姫君たちが揃っていて。

各々綺麗に着飾ったその姿に並ぶと、やはり見劣りしてしまうのは避けられない事実だけど。

それでも私は胸を張る。

ルシュドを恥じたことなど、一度もなかった。


「ご機嫌よう、ルシュドの姫君。どうか堅くならずに」


私にはない優雅さを醸し出すその雰囲気は、いつも圧倒されてしまう。

先日私を罵倒した時とは打って変わったようなその笑顔に、幾分安心した。

席に着くと、すかさず給仕がグラスにワインを注ぐ。

こうやって全ての邑の姫君が同じ場所に集うのは、本当に久しぶりのことだった。