「でも、エリザベート様はよく陛下とお出掛けになるのでしょう?私は陛下と昼の街を歩いたことはないですし…」
重く淀んだ空気をなんとか打破しようと、エリザベート様に微笑みかける。
瞬間、キッと私を睨み付けるかのように光ったエリザベート様の瞳。
びくりと震えた私に、満足したかのようなエリザベート様の笑みには、さっきまでの友好的な雰囲気はまったく感じられなくなっていた。
「いいえ。それは誤解です」
強く、はっきりと。
私への敵対心は、もう隠しきれないほどに。
「いつも誘うのは私の方ばかり。しかも父を交えない限り、陛下は決して首を縦には振ってくださらないわ。当然、夜だっていつも断られる。陛下が私の部屋へ足を踏み入れたのは、あの日の、初夜のただ一度だけ」
憎しみと妬みの全てを、私にぶつけようとするかのように。
「今までは良かった。陛下がお断りになるのは、いつものこと。陛下はどの邑の姫様にも興味をお示しにならなかったし、父がいる限り、私が一番陛下のお側にいられたの。それなのに、それなのに……!」
重く淀んだ空気をなんとか打破しようと、エリザベート様に微笑みかける。
瞬間、キッと私を睨み付けるかのように光ったエリザベート様の瞳。
びくりと震えた私に、満足したかのようなエリザベート様の笑みには、さっきまでの友好的な雰囲気はまったく感じられなくなっていた。
「いいえ。それは誤解です」
強く、はっきりと。
私への敵対心は、もう隠しきれないほどに。
「いつも誘うのは私の方ばかり。しかも父を交えない限り、陛下は決して首を縦には振ってくださらないわ。当然、夜だっていつも断られる。陛下が私の部屋へ足を踏み入れたのは、あの日の、初夜のただ一度だけ」
憎しみと妬みの全てを、私にぶつけようとするかのように。
「今までは良かった。陛下がお断りになるのは、いつものこと。陛下はどの邑の姫様にも興味をお示しにならなかったし、父がいる限り、私が一番陛下のお側にいられたの。それなのに、それなのに……!」
