これはいつのご時世であったか。 今ではもう、定かではない。 真か、偽か。 それさえも、知らない。 昔々、世界は一つの大陸だった。 海という隔てのない、どこまでも続く陸地。 そこを治めていたのが、シルフィード王国。 王国、といっても、シルフィード王国は陸地に散在する“邑”という様々な都市国家の連合体の盟主であった。 それぞれの文化を持つ邑を争いなく統治するための、絶対的な国家組織。 それが、シルフィード王国。 今では、伝説となっている幻の王朝……――