卒業式の日にもらった小さな紙切れーー
そこには先生の住所と電話番号が書かれていて、“いつでも連絡していいから”と笑って抱きしめてくれたことを覚えている。
ーー教師をやめても、私はレイの先生だから。
ーー何かあったら来なさい。私はいつでも、レイの味方だよ。
優しかった声が、今も耳の奥に残っている。
結衣のことがあって久々に先生に会いたくなり、書かれていた住所を頼りに訪ねた先には先生の姿はなく家族の人から先生は交通事故で半年前に亡くなったという知らせだった。
どうしようもなく、家族という人たちに会いたくなった日。
先生がいつか言っていた。
子供が親に会うのに理由なんていらない、会いたいなら会いたいって言えばいい。
会いに行けばいいと。
「でも、望まれていないと思った」
会いにいったところで、何かが変わっていたわけでも過去が変わるわけでもない。
今よりもっと、最悪な関係に変わっていたかもしれない。
お互い、触れないで関わらない方が無難だと。
避けたんだ。
瑠維「……俺は、二週間前に知った。妹がいるって。それも双子の」
同じ日に同じ母親から生まれた。
それなのに、こうも遠く離れて生きてきた。
