ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



実乃「レイ、レイ!」


遠い意識の中で、誰かが呼ぶ声がした。
まぶたの裏で、光が滲む。

目を開けると、実乃が覗き込んでいた。
教室にはもう、生徒が数人しか残っていない。
カーテンが風に揺れて、放課後の光が机の上を照らしていた。


実乃「朝から、ずっと寝てたけど夜寝てないの?」


時計を見るとちょうど、16時を示している。


……約束の時間。


「やば……」


立ちあがろうとしたそのときーー


「「「「「きゃーー!!」」」」


突然、甲高い悲鳴が教室を震わせた。
窓から身を乗り出し校門の方を見て騒ぐ女子。


実乃「なに、どうしたの?」

女子A「やばい、校門に……!あれ絶対、東城瑠維じゃん!!」

実乃「え!?あの東城瑠維くん!?」


隣で、実乃の声が一段と大きくなる。


「……知ってるの?」

実乃「知ってるも何も、青龍の総長だよ!全国で一番勢力のある暴走族!顔もスタイルも良くて、ケンカ最強で!超有名だよ!」


「へぇー」


暴走族関係を調べたことはなかったから、知らなかった。
それにあまり興味もなかったからな。


実乃「なんで、東城くんが南浜にいるんだろ?月夜先輩たちに用とか?」

「……私に話があるんだって」

実乃「え!?な、なんで!?ま、まさかレイ……」



なんでかは私が知りたい。
何の話があるんだか……。