ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



流星「おい、瑠維。急に走り出してどうしたよ」


現れた男は、瑠維と同じくらいの背丈でこれまた整った容姿をしている。
軽い口調とは裏腹に、どこか鋭い目をしている。


瑠維「……別に」

流星「瑠維が女の子助けるなんて珍しいことあるもんだな笑」

そう言って、私の方を振り返る。

流星「……俺はこいつの友達で流星って言うんだ……えっと、君は?」

「……ただの通りすがりのものです」


できるだけ関わらない方がいい。
あたり触らずが一番だと、そのばを抜けようと横をすり抜ける。


けれどーー


瑠維「話が、あるんだけど」


静かな声で呼び止められ、次の瞬間、腕を掴まれた。


断ろうと思えば、断れた。
話すことはないと、一言伝えれば済むはずだった。


「……学校あるから」

瑠維「……」

「放課後でもいいなら」


そう伝えると、16時に校門前に迎えに行くと言って去っていった瑠維。


学校に着き、教室に行き、自分の席につくといの一番に実乃が遅かったねと声をかけてくる。


「変な奴らに絡まれたから」

実乃「相変わらず、モテるねぇ笑」


からかう実乃の声を聞き流しながら、机に突っ伏す。


授業中はいつも退屈で、仕方がない。
頭に入っている内容を教師がただ説明している。
そんなことを声に出して言えば、水瀬先生だったら笑いながら怒ってくれるんだろう。


もう二度とあの声を聞くことができない寂しさに思いを馳せながら、一番後ろの席で眠りにつく。