ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら


***


施設を出て一人暮らしを始めてから一年と半年ほど経つ。
元々、施設で手伝いもしていたから、家事全般はある程度できていた。


元々、物も少ないこの家はあまり人が住んでいるようには見えないほど生活感がない。


必要最低限に揃えられた家電と家具のみ。


いつも通り朝起きて準備をし、制服に袖を通す。
中学の頃はサボり魔だった私も、高校では一応真面目に通っている。


先生との約束でもあるからーー基本サボらずに登校はしていた。


朝の通学路。


男「ウェーイ!お姉ちゃん、可愛いね。どう、俺らとこの後、遊ばない?」


こうやって知らない男に絡まれるのはよくある。
何がよくて私みたいなのに声かけるのか不思議でしょうがないけど。


いつもは無視して去るか、あまりにもしつこい時は一発お見舞いして黙らせていたが今日は違った。
前を立ち塞ぎ絡んでいた男たちを睨む、私の双子の兄だという東城瑠維。


男「ヒィっ……東城、瑠維!」

男「龍王がなんでここに……!」


無造作にポケットへ手を突っ込み、淡々と“失せろ”の一言。


低く静かな声が響く。


次の瞬間、男たちは蜘蛛の子を散らすように走り去っていった。