ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



飛鳥「不思議だったんだ」

「……」

飛鳥「母さんが昔、話してくれたことがあって。“ほっとけない子がいる”って」


“よく公園で会う子なんだけどね”ーー
そう、少し嬉しそうに笑って話していたと、飛鳥はいう。


八重さんと最後にあったのは、ちゃんと話をしたのはいつだっただろう。


あぁ……あの日だ。
八重さんが、珍しく「送っていく」と言って聞かなかった日。


施設の前まで来て、真琴さんと何かを話していた。
ふたりとも、穏やかな顔ではなかったことを覚えている。


低い声に、重たい空気。


あの夜を境に、八重さんはあの公園に現れなった。
最後には姿も見れずに、棺の中で眠っているのを遠目から眺めていただけだ。


飛鳥「レイちゃんのことだったんだね」



優しかった、八重さんはもういない。
あの日の、八重さんの最後の表情は、どうしても忘れられない。


ーー冷たかった。
まるで、拒絶するように。