ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



子供扱いされた……。
実際、子供なわけだけど、少し気まずい。


八重「ちょっと、歩き疲れちゃったのよね笑」

「……はぁ」


お腹に赤ちゃんがいるなら、無理しなければいいのにーーそう言うと、彼女は柔らかく笑った。


八重「適宜な運動は必要なのよ」


その笑顔は、どこか懐かしかった。


その日はそれきり、特に多くを話すこともなく。気分が良くなった八重さんは、大きなお腹を幸せそうに支えながら帰っていった。


真琴「レイ、ごめんな。迎えに行けなくて」


施設に戻ると、真琴さんが今年5歳を迎える最年少の理生【りお】を抱えていた。
理生の額には冷えピタが貼られ、頬は真っ赤だ。


数日前より、理生が熱を出していて真琴さんは理生に付きっきりだった。


真琴「理生の風邪がうつったのかな」


大丈夫かと心配そうに覗き込んでくる真琴さんに、大丈夫、平気だと告げて自室へ行く。


そんな私に、真琴さんが少し寂しそうな目をしていた。


数日、気分はすぐれなかったが真琴さんや周りの人にはもうどうもないと嘘をついた。


心配されることに、素直に甘えることに慣れてなかったし、自分は大丈夫だと言い聞かせていた。