ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



翼「夏海、元気か?」

「なに、会ってないの?」

翼「……まぁな笑」


短く笑うその声に、少しの寂しさが混じっていた。
恋をしても、報われない。


翼も難儀な恋にーー


身を焦がしている。


翼「俺、時雨に殺されっかな〜」

「殺されないでしょ笑」

翼「男心がわかってねぇな〜。好きな女の“特別な姿”を自分より先に見られるって、はらわた煮えくりかえるもんだぜ笑」


冗談っぽく言う翼の目は、どこか楽しそうで。
まるでこれから起こることをわかっているような顔だった。


視線を浴びながら、時雨達のところへ戻る。


甘南「可愛いーー!!」

「うおっ」


勢いよく飛びついてきた甘南を受け止める。
太陽に照らされた彼女の笑顔は、真っ直ぐで眩しい。


甘南「やっぱ白にして正解だったね!」

「そうかな……さっきからジロジロ見られてんだけど」


異様なほどに感じる視線。
向けられる視線に、早くも着替えたいと逃げ腰になる。


時雨「レイ、これ着とけ」


そう言って、時雨は自分が着ていた黒いパーカーを脱ぎ、何の躊躇いもなく私の肩にかけてくる。