ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



生まれた時から天道の家で育ち、組の後継として生きてきた。この世界が日常だった。


だから、レイにそう言われても傷つきはしなかった。


レイと水族館に行ったあの日。
遥斗は迷いながらも、俺にレイにはもう関わるなと言った。


「お前の妹だからか」

遥斗「……あぁ」


昔に遥斗から聞いていた。
事情があって一緒には暮らせないし、もう会えないけど妹がいると。


遥斗「お前が本気でレイのことが好きなら、幸せを願ってくれてるのなら、ーー関わらないでやってくれ」


それがレイのためだと。
そんなことを遥斗に言われてそうですかと諦められるほど、レイへの気持ちは小さくなかった。


どこが好きなのか聞かれても、全てとしか言いようがない。
そばにいるだけで、愛おしさを感じた。


本気で、守りたいと思った。
レイが望むことなら、なんでも叶えてあげたいと。


レイが俺に会いたくないというなら、それがレイの望みならーー


何も言わず、受け入れようと。