ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら


時雨side


「……あいつは姉貴だ笑」

レイ「え?」


目の前で嫉妬するレイは腕の中に閉じ込めてどこにも行かせたくないと思うほど愛らしい。


嫉妬の対象が俺の家族だと分かり羞恥心で顔を赤らめる姿が、どうしようもなく可愛かった。


レイ「……バカにしてる」

「してねぇよ、可愛いなって思ってる」

レイ「嘘。性格の悪い女は、タイプじゃないもんね」


その言葉に、思わず笑ってしまった。
嫉妬だと認めないレイ。
だけど、声の端が拗ねている。
完全に“妬いています”って言っているようなもんだ。


「……別に、性格悪くねぇだろ」


レイで“性格が悪い”なら、俺なんて人間として終わっている。
時々、冷たい言葉を吐くレイだけど、本当は誰よりも人に優しい。
それを本人が認めないだけ。


レイ「時雨が知らないだけで、私は性格が悪いのですよ笑」


……そんなふうに笑うな。
無理して笑うたびに、胸の奥が痛む。


俺の頭に、あの日の光景が蘇る。


ーー2年前。
レイに「ヤクザは嫌いだ」と言われたあの日。
俺は何も言い返さなかった。