飛鳥side
甘南とレイちゃんが二人で水着を買いに行くと言っていなくなった瞬間、周りにいた女たちが、一気にこっちに群がってきた。
遥斗と時雨は心ここに在らずって感じで。
心配なのか、ここからじゃ店の中なんて見えないのに、ずっと同じ方向ばかり見ている。
「そんなに心配なら、無理やりついて行けばよかっただろ笑」
遥斗「しょうがねぇだろ、来るなって言われちまったんだから」
惚れた弱みというやつか、惚れた女の言うことは絶対的だと。
女「時雨様ぁ〜。私たちと一緒に遊びませんか〜」
水着姿のギャル風な女が時雨の腕に触れるが、時雨は低い声で「触るな」と一言。
その手を冷たく払いのける。
あの一瞬の冷気で、周囲の女の笑顔が凍りついた。
昔は来るもの拒まずだったらしい時雨だが、俺が出会った頃にはすでに女に興味がないようなやつでレイちゃんへの時雨の態度に驚いた。
翼「あれ〜レイいねぇじゃん〜」
「なんでりんご飴持ってんの」
女を引き連れて戻ってきた翼はりんご飴を持っている。
翼「レイのご機嫌でも取ろうかと思ってな〜。さっき怒らせちまったし」
「りんご飴で機嫌取れんのか笑」
翼「レイはああ見えて女の子だから、意外と甘いもの好きなので〜す」
時雨「……お前」
翼「勘違いすんなって笑。俺の好みは、口悪くなくて清楚で可憐な女の子よん」
レイちゃんは恋愛対象外だと。
時雨の眉が僅かに動いたのを見逃さず、翼はケラケラ笑っていた。
