ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら



真希「な、なんなのよ、あんた……!」

女「時雨様とどう言う関係よっ!」


怯えながらも、レイちゃんを睨む女の人たち。
だけどレイちゃんは、まるで聞いていない。
存在そのものを無視するように無反応で、静かに吐息を落としただけだった。


「そ、んなの時雨くんに直接聞けばいいでしょ」


真希たちの顔がさらに歪む。
さっきまでの怯えは何処へやら、怒りの矛先が次第に私に向いていく。


女「は?三咲様の妹だからあの方達のそばに入れるだけの女は黙ってなよ」
女「大して可愛くもないくせに、調子乗ってんじゃないわよ」


お兄ちゃんの妹。
その言葉は、胸の奥に深く突き刺さった。
事実だからこそ、痛い。


何も言えずに下を向いていると、今まで反応ひとつ示さなかったレイちゃんがーー動いた。


無言のまま真希の胸ぐらを掴み上げた。
音が消える。
店内のざわめきも、全部。


身長の高いレイちゃんが真希を見下ろす姿は、威圧感がすごいと側から見て思う。
その瞳は、氷のように澄んでいた。


三咲「女に手ぇあげる趣味はないんじゃなかったのか?」

レイ「……クズに手ェ出さないと言った覚えはない」


低く、刺すような声。
その一言に、背筋がゾワっとした。
怒鳴り声よりも、ずっと怖かった。


無表情で相手を凍らせてしまう冷たく今にでも女の人を殴りそうな勢いのレイちゃんに、いつの間にか現れたお兄ちゃん達が止めに入る。